きっぷうりば。~3代目の新駅舎より~

旅行などで使ったきっぷ類にとどまらず、観光地の入場券、野球の観戦チケットなど、「きっぷ」全般について、やりたいように(笑)書き連ねていきます。

カテゴリ: 南海電気鉄道

2016年、3泊4日松山・関西の旅、第2編。

松山での2日間は、伊予鉄道のフリーきっぷしか使いませんでした。
…ので今回は、舞台は一気に大阪へと飛びます。

Peachで関西空港へ飛んだあと、この日の夜は大阪市営地下鉄(当時)の谷町四丁目駅近くのホテルに向かいました。
関西空港駅から谷町四丁目駅までの移動には、この切符を使いました。

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関西空港駅の自動券売機で購入できる、「関空ちかトクきっぷ」です。

▼「関空ちかトクきっぷ」とは?
南海電鉄関西空港駅で発売している、(現)Osaka Metroへの連絡企画乗車券。
関西空港駅から難波(なんば)駅を経由し、Osaka Metro各駅までの片道が有効区間。
現在の発売額は大人1,020円で、Osaka Metro初乗り区間で下車する場合でも、90円安くなる。
(※この乗車券の利用当時は、消費税率8%であったため、このページでの各種比較は、現行運賃を基準とします)

パッと見ると、どこの鉄道会社でも売っていそうな、ごく普通の連絡乗車券にも見えます。
発駅や乗り継ぎ駅の書き方、領収額、日付・券番号・発売時刻なども、それと変わりありません。

しかし、乗り継ぎ先の運賃があるべき場所には、大きな文字で「各駅」と印字されています。
これはもちろん、「Osaka Metroのどの駅まででも使えますよ」という意味です。
また、その隣にある「■企」のマークを印字することで、(一般人には解りづらいですが)「普通乗車券ではないこと」を示しています。

「各駅」の文字の下には、「区間外別途精算」とあります。
中央線長田駅から先の近鉄線、堺筋線天神橋筋六丁目駅から先の阪急線など、Osaka Metroから乗り越す場合を想定したものでしょう。
(近鉄線の場合、難波で直接乗り換えができるので、あまり需要がないかもしれません)

個人的に「あれ?」と思ったのは、乗り継ぎ駅「難波」の文字。
確か、南海電鉄の正式な駅名は「難波」だったと思いますが、Osaka Metroは「なんば」のはず。

…と思ったら、いずれも「難波」が正式な駅名(「なんば」は旅客案内上の表記)だったんですね。

さて、今回利用したのは、前述のとおり関西空港駅から谷町四丁目駅まで。
現行運賃では、普通運賃とどれだけ差が開くか調べてみると…

【南海】関西空港→難波 930円
【Osaka Metro】なんば→谷町四丁目 230円   合計 1,160円

「関空ちかトクきっぷ」発売額 1,020円

差額は140円でした。

国内路線のLCCが軌道に乗り出して、早くも10年近くになるでしょうか。
私も、利用回数に差はあれど、ジェットスター・ジャパン(GK / JJP)、Peach Aviation(MM / APJ、旧:バニラ・エア(JW / VNL)を含む)、春秋航空日本(IJ / SJO)の3社とも利用しました。

国内最大手の会社が、筆頭に記したジェットスター・ジャパンです。
オーストラリアを拠点とするカンタス航空が出資し、アジア圏をメインとした、ジェットスターグループの一員です。

そんなジェットスターですが、国内線は成田を中心に、多くの路線を運航しています。
今回のネタに関連する関西空港線も、便数が多い路線のひとつです。

ジェットスターでは、機内販売では飲食物のほかに、到着地からの割引チケットも発売しています。
成田着の場合ですと、スカイライナーの割引チケットや、東京駅方面へのバス乗車券などを発売しています。

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関空着の場合でも、そこそこ多くのラインナップがあるのですが、そのうちのひとつが、この「ジェットスター・ナンカイきっぷ」です。

▼「ジェットスター・ナンカイきっぷ」とは?
ジェットスター・ジャパンが運航する関西空港到着便において、機内販売品として取り扱われている割引チケット。
機内販売時にキャビン・クルー(=CA)から「引換券」を購入し、南海関西空港駅の窓口で、本券に引き換える。
南海電鉄の「関西空港→難波」の乗車券だけのもののほか、特急〔ラピート〕の特急券付きのものも発売。
乗車券のみでも100円、特急券込みだと300円も安く移動できる。

このとき使った「ジェットスター・ナンカイきっぷ」は、まだ機内販売で取り扱う以前(~2017.3)のものです。
航空券のネット予約時に、同時にバウチャーを購入して、購入画面を自宅で印刷。
それを南海電鉄の窓口に持参し、本券に引き換える方式でした。

1枚目の画像は、「ジェットスター・ナンカイきっぷ」の総括券。
JRのマルス式各種回数券でいうところの、「表紙」券にあたるもので、利用上の注意事項などが印刷されています。

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続いて2枚目は、乗車券の部分です。
券種名は単純に「乗車券」のみですが、中段の右端付近に「*企画」と印刷されています。
南海電鉄のほかの企画乗車券のことを知らないので、何とも言えませんが、企画乗車券の一部であることを示しているようです。
おそらく、これがJRの切符だったら、「(企)乗車券」と印字されて、3+2桁の企画券コードも印字されるでしょうね。

有効期間については、乗車当日のみが、有効開始日・終了日に同日で印刷されています。
また、企画券の一部なので、運賃の印字はありません。

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最後の3枚目は、特別急行券の部分です。
こちらは、南海の一般的な特急券と概ね同じものです。
相違点としては…

○着時刻の右側に「*ジェット」(※印字上は半角)と印字
 →「ジェットスター・ナンカイきっぷ」の一部であることを表示か?
○発売額をアスタリスクで印字
○払い戻し不可の旨を印字

の3つでしょうか。

乗車したのは、特急〔ラピートβ52号〕です。
発券直後の48号、30分後の50号とも、空席はありましたが…。

この日の52号は、〔ラピート〕運行開始20周年を記念した、

「Peach×ラピート ハッピーライナー」(50000系第5編成)

での運行だったんですね。

「Peach」はもちろん、冒頭でも記した国内LCC航空会社。
コラボレーション企画が実施され、そのひとつが、Peachの機体を模した「ハッピーライナー」の特別塗装でした。
各車両1か所ずつ(だったと思う)、「ハッピー」のハートマークステッカーが荷物棚下に貼られていたのですが…。

まさに、私の席でした(笑)。

ジェットスターを降りて、ジェットスター発売の割引チケットでPeachに乗り換える。
何だか不思議な体験をした1日でした。

余談ですが、特急〔ラピート〕は停車駅別に、〔ラピートα(アルファ)〕〔ラピートβ(ベータ)〕の2種類の列車名があります。
βの停車駅は、難波・新今宮・天下茶屋・堺・岸和田・泉佐野・りんくうタウン・関西空港で、日中はこちらの系統のみを運行。
αは、平日朝方の下り列車と、毎日夜以降の上り列車で運行され、堺・岸和田には止まりません。

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